2005-01-01から1年間の記事一覧

ジャカロープ、あるいは博物誌上の動物

最近見ていなかったのですが、x51.orgってコメント欄廃止してたんですね。2chのニュース系板から流れ込んでくる「NONAME」が多くていろいろあったのかもしれませんが。そのx51の最近のニュースにジャッカロープ - "角の生えたウサギ"の死骸を発見 米とい…

海ムカデについて。その3

まず始めに、ここでいうスコロペンドラは現実の節足動物の学名としてのスコロペンドラとは直接関係あるわけではないということを断っておきます。ネット上でscolopendraと検索するとこのようになります。つまりムカデのことです。UMAとしてのスコロペンドラ…

スコラペンドラ・おまけ

結論から言うと、まだ誰にもスコロペンドラおよびムカデクジラの正体は分かっていないです。とりあえず、今後の目標としてはネット上にまだスコロペンドラ系ページのまとめがないようなのでここで雑学的に知っていることをまとめていく方針でいます。 ※『サ…

南方熊楠のイラスト(海ムカデについてその2)

南方熊楠の、へたうま?イラスト。片方がスコットランドに漂着したという大海蛇の死体を、それを直接見た人が書いたもの。しかし残った骨を検分してみるとそれは単なるサメにすぎないことがわかったという。 熊楠は、そもそも大ムカデがなぜ竜宮の蛇と対立関…

海ムカデについて

少し前にコメント欄にムカデクジラのことを書いたのですが、それに関連して、南方熊楠が「これはムカデクジラのことだ」と考えたスコロペンドラという幻獣について少々。熊楠はイギリスにいて「ロンドレチウス」の著書にスコロペンドラが掲載されていること…

妖怪世界遺産

『妖怪世界遺産』の記述不足を補ってみる試み。アカヤ 地域不明。ニューギニアあたり? インドネシアの悪霊 資料なし。『他界観念の原始形態』にある グリーンランドの悪霊 資料が不正確。ジョージ・ハリファクス『イメージの博物誌 シャーマン』が出典(図像…

ソロモンの悪魔

某緑bardさんのblogを見つけたのでコメントをしたところ、サーバが見つかりませんになってしまった。そこでもう一度コメントをすると再びサーバが見つかりませんになった。二重投稿になっていなければいいのだけど……。 なんか、昔の自分を見ているようで懐か…

全ファイル一時的に消去します

とくに意味はないのですが、一度不要なファイルを削除するためにサーバ上の辞書ページを全て削除します。今日中には再アップする予定。 ところで一週間くらい前、「伏魔殿の小さな椅子」さんのところに次のような質問があったのですが、ここのテーマにも関係…

事典を2ヶ月ぶりに更新

お久しぶりです。 中央アジア、カフカスあたりの獣人伝説など40項目余り追加、2項目ほど解説を追加しました。これで9800項目を超え、10,000の大台まであと200となったのですが・・・。 現在、一度ホームページをまっさらにしてアップロード中。一万近くのフ…

南米のツチノコ

ツチノコの目撃証言には「声を出す」というのがありますが、蛇は声帯がないので、「シューシュー」という英語で書くところのhiss音しか出すことができません。ところでアフリカと南米パラグアイにはバーキング・スネークと総称される「声を出す蛇」というUMA…

中国で龍の写真が撮影される

tokyo Fuku-blogによれば、 2004年の6月22日、この撮影者は青海-西藏間鉄道の開通式典に出席するためチベットのアムド地域に向かった。帰りはラサから中国まで飛行機に乗ったという。ヒマラヤ上空を飛行中に撮った写真の中に、2つの龍のようなものが偶然写…

今更だけど今週の分・・・

22時前気象情報 荒嶋恵里子さん→関嶋梢さんニュース7気象情報 半井小絵さん→山本志織さん18時台首都圏ネットワーク 真下貴アナ→小見誠広アナ(特報首都圏) 與芝由三栄アナ→山本志保アナ(17時台首都圏ネットワーク) 17時台はなし。5,6時台おはよう日本 島津有…

新刊をいろいろ読んでみた

昨日夜、ひさしぶりに書店によってみましたよ。以下は少し立ち読みした上での感想なのでその点注意してください。『日本妖怪大事典』>毎日新聞社の『妖怪事典』より安いけど、内容はほとんど同じ(たとえばウブメの解説に民俗学的には文芸云々とあるところ。…

新刊情報

河出書房新社から湯本豪一『日本幻獣図説』。川崎市民ミュージアムの展示や妖怪記事の延長上にあるようです。 技術評論社から宮本幸枝 著・村上健司 監修 『津々浦々「お化け」生息マップ -雪女は東京出身?九州の河童はちょいワル?-』。「雪女は東京出身」…

2ちゃんねるからのリンクはおそろしい

さきほどアクセスログを見てみると、21時に突如ユニークアクセスが571に跳ね上がっていた。22時は338、23時は271。調べてみると、日本ではまだ幻想動物の事典でしか紹介されていない(はずの)幻鳥の名前がネットゲームに使われたらしい。それを検索して私のろ…

神話への門復活してます

神話への門サーバー移転ですね。

レヴィストロースとリーヴァイス

少し前に紹介したレヴィストロースとの対話本から面白いと思ったところを抜粋してみます。エリボン その「無信仰」は、あなたのその後の知的生活において、なんらかの役割を演じたのでしょうか? レヴィストロース わかりません。(中略)今でも宗教の与える解…

フレディ・クルーガーvsジェイソン・ヴォーヒーズ

少しでも「妖怪や神話、幻獣や幽霊、ホラーな都市伝説」に興味があってここに来ている人は、たとえ2ちゃんねらーだろうが今週の木曜日に「フレディvsジェイソン」を見ずに「電車男」を見たのならばどちらかの餌食になるべきだと思います。 映画館でも見たの…

ブラジルの抜け首

ブラジルの先住民族カヤポ(ボロロと同系語族)の神話。 夫婦がいた。夫は妻に対して冷酷で、肉と水を与えない。妻は夜中に水を飲もうとして蛙の鳴くところに以降としたが、夫にばれるのを恐れて、身体を二つに切り離した。首だけが空を飛び、髪を翼にして飛ん…

ゲリュオンの殺し方。

抒情詩人ステシコロスの『ゲリュオン譚』はゲリュオンを主役として扱った珍しい作品です。残念なことにほとんど作品は残っておらず、わずかな引用や数十年前に発掘されたパピルスによってその断片が推測されるのみですが、邦訳された丹下和彦さんもおっしゃ…

レヴィ=ストロースの神話論理

私の手元には、今ディディエ・エリボンというフランスのジャーナリストさんがジョルジュ・デュメジルおよびクロード・レヴィストロースと対談した二冊の本がおいてあります。かたほうは『デュメジルとの対話』、かたほうは『遠近の回想』というタイトルになっ…

なぜゲリュオンは胴体が三つあるのか

ヘラクレスは一本の投槍で殺したわけですが。 健部伸明編『幻獣大全』では、この神話は牛獲りの神話があるケルトの三位一体を象徴した神をギリシアの神人が放逐したものと考えてさしつかえないでしょう、としていますが、このような考えは受け入れないほうが…

姑獲鳥の神話論理

『今昔物語集』巻第二十七に「頼光の郎等平季武(たいらのすえたけ)、産女に値(あ)へる語」第四十三というものがあります。出産で死んだ女の妖怪である産女(うぶめ)の最古の事例として知られているもの。 その昔、美濃のどこかの川の渡(わたり)に産女が出没し…

久々に事典を更新

トゥングース諸語の北東系(満州、ウイルタ)を20ちょっと追加。 前回「ン」を追加してから一ヶ月以上更新していなかった、と思うと感慨深いものがある。このブログもここ一ヶ月以上、はっきりいって怠け気味。やや遅く来た五月病? よくわからないけどあまり…

河童伝承大事典

岩田書院という出版社からそのような事典が出るそうです。9500円……高!(書院の裏話ページに、どうしても売れないから高くしちゃうのよ、という言い訳が散見されるのが悲しいところ) 普通の書店じゃそもそもおいてくれないかも知れない。これじゃ中身も確認で…

世界の言葉で龍を何と言うか

辞書でドラゴン。 今日、オンライン辞書をフルに利用して上のようなページを作ってみました。目がものすごい疲れた……。原則的にdragonと入力して出た単語以外は載せてないので、たとえば梵語のahiやnāgaはここに入れてません(snake, serpentなら出るけど)。…

原典訳マハーバーラータを読み

これって、絶対索引必要だよなー、と思った。 木曜洋画劇場「ダウン」を最初から見てしまったことに後悔しつつ……

竜蛇の頭の方向

私がここ4ヶ月ほどずっと考えているのが、竜蛇の「頭の向き」です。いや、事の発端が「頭の向き」と言ったほうがいいのかもしれない。とにかく、蛇は人間とちがって頭をどこに向けることも可能です。これは、実はかなり大きな問題ではないかと思う。 して、…

ヘビ、ヘミの語源?

で、アルタイ語族論によりますと、ヘビ=ヘミはアルタイ祖語で*p'[ó]jamV(カタカナ表記するとしたらプォヤミ?Vにiを入れてみる)になるそうな。意味は「ヘビ」。 日本祖語パイミ/パインピ*pàim(p)V>古代語ペミ>中世フェミ>現代語ヘビ。また名瀬、首里方言…

みづちの語源?

ところで下のエントリは、Wikipediaの満州語ページに水竜 muduri(ムドゥリ)(古代日本語「みつち」または「みづち」(水竜)と何らかの関係が?)とあるのをみて、muduri、dragonと検索して見つかったページに想を得たものです。 この「水竜」ってなんぞや…