新刊をいろいろ読んでみた

昨日夜、ひさしぶりに書店によってみましたよ。

以下は少し立ち読みした上での感想なのでその点注意してください。

『日本妖怪大事典』>毎日新聞社の『妖怪事典』より安いけど、内容はほとんど同じ(たとえばウブメの解説に民俗学的には文芸云々とあるところ。これは今野圓輔の引用なのだが、映画公開されているのだから少しくらい手直しすればいいのに)。
河童の事典>>でかい!厚い!重い!でも箱入りじゃないので立ち読みはしやすかった。内容は、都道府県別に「河童の名前」「特徴」をまず紹介した後、各地の伝承を詳細にずらずら並べていくという体裁。著者あとがきによれば1万件ほど集めたうち5千数百件を使ったそうです。しかしこのヴォリュームはすごい。著者はあとで河童百科事典も書きたいそうだ。
『江戸東京噂話』>>こんなタイトルだった気がする。最新刊というわけではないが最近の本。私は最近2chに「くだん」スレが立っているのをみてくだんと牛女という存在に興味を引かれたのですが、検索してみるとこの本に両者が載っているということで読んでみた。結論としては、単に両者を併記しているだけで何か新しい説が打ち出されているわけではなかったです。
『日本幻獣図説』>>湯本豪一妖怪論の集成と言っていいのだろうか? 今まで出たどの本よりも「まとめ」「妖怪論の展開」的な内容に近い。内容の詳細な検討をする価値がありそう。
平凡社ライブラリーのレヴィストロース講義>>20年近く前のものの再版らしい。ライブラリー版あとがきに「神話論理」を訳出中とのことが書かれているはやくしろや!!
角川ソフィアの鳥山石燕>>国書刊行会版と違って解説がついていない。そこに注意されたし

しかし結局ジョルジュ・リゲティの『ヴァイオリン協奏曲』のスコアを買ってしまった自分であった。このざっと眺めてみたがコントラバスファゴットに高いG(現代曲なので、もちろん「実音で」真ん中のCの5度上のGではなく、その「オクターヴ上の」G。バスのほうは指板がもうないので指でつまんで出せと書いている)が出ていたのが見た目印象的だったw
high G



ちくま書房の近刊情報

なんとジャンバティスタ・バジーレの『ペンタメローネ』が出るではないか。『ペンタメローネ』はヨーロッパ最古の昔話集のようなもので、ペローやグリム兄弟にも影響を与えたらしい。ハこれまではードカバーの高いものしかなく、おまけに近くの図書館にも置いてない上に『幻獣大全』ではいくつかの箇所(ウオルコ=イタリアの鬼など)で資料として挙げられていたので、これはうれしい。
また学芸文庫からは松岡正剛『フラジャイル』が出てくるそうです。この本、タイトルどおり「弱さ」がテーマ。神話の隻眼の話題なども出てくるので興味ある人は読んでみては。