海ムカデについて

少し前にコメント欄にムカデクジラのことを書いたのですが、それに関連して、南方熊楠が「これはムカデクジラのことだ」と考えたスコロペンドラという幻獣について少々。熊楠はイギリスにいて「ロンドレチウス」の著書にスコロペンドラが掲載されていることを知りこれを探したのですがあまりに珍しい本だったということで入手できなかったということを書いています。私の手元にある博品社のP.アンセル・ロビン『中世動物譚』pp.140-1にそのロンドレの『海の魚類について』(1554)からスコロペンドラの図の抜粋があるのでここに転載しておきます。この本にはスコロペンドラのことが結構詳しく書かれているのですが、結局どのような動物なのかはわからないまま。下のロンドレの絵もおそらく空想上のものでしょう(ちなみにこの博品社の叢書には『スキタイの子羊』『鼻行類』など幻想動物好きにはたまらないラインナップが揃えられてます。しかしながら、この叢書刊行中に会社がなくなってしまったようですが・・・やっぱり幻獣本は売れないのか)。

図の解説についてはまた別のエントリで。
Scolopendra marinaScolopendra cetacea