みづちの語源?

 ところで下のエントリは、Wikipedia満州語ページに

水竜
muduri(ムドゥリ)(古代日本語「みつち」または「みづち」(水竜)と何らかの関係が?)
とあるのをみて、muduri、dragonと検索して見つかったページに想を得たものです。

 この「水竜」ってなんぞや? ムドゥリで検索してみると、満州ではないウデゲの伝説というのを発見。ムドゥリは川を作ったり、水を飲んで引き潮にしたり、雷光はその娘だったり、天に昇って雨を降らせたりする「大きな獣」だそうです。たしかに、これは竜ですね。

 さてそこで先ほどのAltaic etymologyによりますと、アルタイ祖語は*ミウドゥ*mi̯údu。意味は「竜」。
 満州祖語は*ムドゥリ*muduri。口語満州語ではムドゥリmuduri、ジュルチェン語ではムドゥウルmudu-ur、ウルチ語ではムドゥリmuduli、ナーナイ語でもムドゥリmuduri、オロチ語でもムドゥリmuduri、ウデゲ語ではムディレmudile、ソロン語ではムドゥルmudur。
 朝鮮祖語は*ミリ*mìrɨ̂、中世朝鮮語も同形。
 そして日本祖語は*ムイまたはメイ*múi/*mə́i。意味は十二支の巳(み)。ヘミ(=ヘビ)の短縮形という説もあるそうです。これが古代にミmiになり、現代にいたる。
 モンゴル祖語、トルコ祖語については言及なし。

 その他のもいくつか見てみましたが、確かに微妙なところではあります>アルタイ祖語の存在。