書籍

幻獣警察が森瀬繚『ファンタジー資料集成 幻獣&武装事典』を読む

森瀬繚氏の近著『ファンタジー資料集成 幻獣&武装事典』。著者は日頃からツイッターなどで博覧強記を披露しておられ、特にファンタジー・ホラー関係に造詣の深いところから、幻獣警察(他称を横領)としては読んでみなければと思い、内容の評価はさておき、…

今度は古書店街に行ってみる

今度は、グランバザールとイスタンブール大学のあいだにある古書店街に行ってみた。「古書」というのは『イスタンブールに暮らす』という本にあった表現だが、実際に行ってみると多くは新刊書店だった。大学に近いので、いわゆる学術書が多い。ときどきトル…

トルコ語のトルコ神話の本

語学学校近くに学術書籍としてはイスタンブールNo.1という評判の「パンドラ」という書店があったので行ってみて、そこで3冊ほどトルコ(テュルク系、のほうが正確だが)神話について書かれているらしい本を買ってきた。うち一冊は、google書籍であたりをつけて…

勉誠出版系

『アジア遊学 東アジアの死者の行方と葬儀』 あいかわらず佐藤弘夫の論考が面白そう 『日本古典博物事典 動物篇』 これは興味深い!!けど高い 『アジア遊学 アジアの怪奇譚』これは9月刊。四方田犬彦の『怪奇映画天国アジア』は東南アジアのリアルタイムな…

イブン・ファドラーン

Nordica Mediaevalisによれば、イブン・ファドラーンの『ヴォルガ・ブルガール旅行記』が東洋文庫から9月に出るらしい。すでに日本語訳もあるのだが、それの改訳決定版のようだ。 ファドラーンは北欧神話の史料としても使われるが、ブルガール地方のテュルク…

新刊・近刊情報

前の「新刊近刊情報」から3ヶ月くらい経っているのでピックアップできないのも多いとは思いますが、いちおう。あ〜、「洋書新刊紹介」なんてのもしてみたいけど、洋書版元のチェックなんてしたことないのだっ!!

まぁそうはいっても洋書でも気になる新刊に偶然めぐり合うこともあるわけで(おもにAmazonの「おすすめ」でかな……笑)。 たとえば半年前に出たのがGregory ForthのImages of the Wildman in Southeast Asia: An Anthropological Perspective(『東南アジアにお…

新刊・近刊ピックアップ

新刊情報っ!って、前からもう何ヶ月も経ってしまっていて全部ピックアップするのには時間がかかりそうなので、いくつか面白そうなのだけ。狩野博幸、湯本豪一『日本の図像神獣霊獣』 出版社ページによると「本書では、河鍋暁斎、伊藤若冲、歌川国芳らさまざ…

先史世界の初期絵画表現

先史世界の初期絵画表現っていう副題の本が出ているようです。メインタイトルは『太古の光景』。 皆さんは自然史博物館やテレビ番組で「太古の光景」(たいていは恐竜たちが闊歩している)をご覧になったことがあるでしょう。本書はその「太古の光景」の19世…

あなどるべからず文庫本系

あんまりたくさん出版されているんで紹介する気もなくなっていた文庫本系のファンタジー入門本ですが、どうやらこの本とその著者は、少し違うらしい。まだ読んでないけど。「堕天使」がわかる サタン、ルシフェルからソロモン72柱まで (ソフトバンク文庫)作…

新刊近刊情報っ

近刊 青土社のページから。中野美代子『ザナドゥーへの道』 相変わらず中野美代子は面白そうなテーマの本を出しますねぇ。 D・C・A・ヒルマン『麻薬の文化史』 細菌学と古典学を学んだという、世界でも数人しかいないでは?という経歴の著者。 ジョン・ハー…

新刊情報

最近更新していないので、いくつか新刊情報を載せてお茶を濁すことにします。まずちくま学芸文庫から、社会人類学の古典が2つ文庫版になって出ていました。マルセル・モースの『贈与論』とメアリー・ダグラスの『汚穢と禁忌』。幻想動物的には後者が関係深い…

少し新刊情報とか

大型書店だと、岩波文庫の2月重版分の『抱朴子』が置かれているかもしれません。今ではたぶん原文がネットで見れるし、岩波版の抱朴子は書き下しだけなので学術的には物足りないかもしれませんが、平凡社版の抱朴子が抄訳、とくに私にとっていちばん肝心な、…

2009年の新刊、2008年年末の新刊など

溝口睦子『アマテラスの誕生 古代王権の源流を探る』 「広く北東ユーラシア世界とのかかわりを見すえながら」が神話学的にツボかもしれない。ここでも出てきた、「王権」というキーワードが……。ちなみに講談社学術文庫から筑紫申真の、まったく同じタイトル…

中世ヨーロッパにおけるギリシア神話(少しの陰口)

Wikipediaのギリシア神話の項目が、「第2回秋の加筆コンクール」に参加という名目で、大幅に加筆されています。加筆の経過はとりあえずおいておくとして、現状、神話の歴史が古代から一気に19世紀後半まで飛んでしまっているのが目立つと思います。その点に…

『日本の美術 510 龍』

『日本の美術』最新刊は勝木言一郎「龍」となっています。http://www.shibundo.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=9784784335107 空想・伝説上の神秘的な霊獣である龍。その雄大で霊妙なイメージは、古来、日本の多くの 芸術家たちに愛され、数々の美術品が今日ま…

アメリカの博士論文を読む

ときどき、読みたい参考文献情報に、dissertationと書かれているのがあります。 これは「学位論文」のことで、大学の卒業論文の仲間(たとえば修士論文や博士論文)のこと。大学に提出してPh.Dのような称号をもらうための論文で、原則として提出された大学が所…

奇談異聞辞典

柴田宵曲の『奇談異聞辞典』がちくま学芸文庫から発売されていましたね〜 これは単独では入手困難な『随筆辞典 奇談異聞編』が文庫化されたもので、その名のごとく江戸時代の随筆から幽霊妖怪譚のほか多くの「奇談」「異聞」を集めたものです。巨大なアンソ…

200709メモ

ほしい本メモラヴァテルの『夜彷徨う幽霊と精霊について』の1572年の英語訳。Lewes Lavater of Ghosts and Spirits Walking by Night 1572, 1929作者: May Yardley,J. Dover Wilson出版社/メーカー: Kessinger Pub発売日: 2003/08/01メディア: ペーパーバッ…

キャロル・ローズの続き

キャロル・ローズの事典は前も書いたとおりマイナス面ばかり目立ちますが、個人的には、その出典を探る過程で何冊かの良書に出会えたということについては感謝しなければなりません。 そのうちのひとつが、一年位前にも紹介したWalter StephensのGiants in T…

イマップ・ウマッソウルサ

ちょっと元ネタをたどったりして見ていたら、いろんなことがわかるもので。私は英語版の原書しか持っていないのでわかりませんが、Imap Umassoursaという項目が『神獣』に存在するはずです。イマップ・ウマッソウルサという感じかな? ちょうど神魔精妖名辞…

『ツチノコの民俗学』

以前、民俗学的にツチノコを研究した論文を紹介して、その上で批判したことがあります。その論文が所収された『ツチノコの民俗学』が8月に出版されていました。 実は、私が批判したところ、微妙に訂正(?)が入ってます。ただその訂正分を読んでも論旨が混乱す…

ヨーロッパ幻想系の新刊

井村君江さんが集大成として『妖精学大全』なる大著をものしたそうで。東京書籍の紹介文によれば「世界的権威による妖精の集大成。欧州の民間伝承のほか,ケルトやギリシア・ローマ神話,中世文学やシェイクスピア,さらに『ピーター・パン』『ハリー・ポッ…

ユダヤ教の幻想動物

下のMysterious Creaturesという本を紹介したエントリで、間違って同名の別内容のタイトルの本へのリンクもはってしまっていたことに気づいたんですが、偶然遭遇したこの本もなかなか面白そうな内容のようです。 Nosson Slifkin, 2003, Mysterious Creatures…

マストアイテム追加。

はてなブックマークのほうに登録しておいたのですが、George Eberhartという人のMysterious Creaturesという本のpdfファイルがネット上にあがっていました。たぶん違法だと思います。 この本は未確認動物百科事典で、出版当時(2002年ごろ)2ちゃんねるの未確…

マハーバーラタの神話学

http://www.koubundou.co.jp/books/pages/16050.html

チベット密教の入門書

お久しぶりです。 1ヶ月くらい前からようやく世界的な緊急問題として認知され始めたチベット。ちくま学芸文庫の5月の新刊にツルティム・ケサン『チベット密教』が並んでいました。タイムリー……にしては少し遅すぎか。「文庫版へのあとがき」に何らかの言及は…

ボッカッチョ『異教の神々の系譜』英語訳

以前話題にしたボッカチオ『異教の神々の系譜』、ラテン語英語対訳版がI Tatti Renaissance Libraryで出版される予定だというのを発見。 http://www.hup.harvard.edu/itatti/forthcoming.html GIOVANNI BOCCACCIO Genealogy of the Pagan Gods Edited by Jon…

『ロマネスクの宇宙』

ずいぶん前に私が紹介して的外れな批判をしたところ、ご本人から指摘のコメント書き込みがあり、冷汗三斗となったことのある学会雑誌所収の論文*1が、(たぶん)出版されるようです。金沢百枝『ロマネスクの宇宙 ジローナの《天地創造の刺繍布》を読む』(東京…

ダストン&パーク『驚異と自然の秩序 1150-1750年』

以前、高山宏が紹介している、ということを紹介したLorraine Daston & Katharine Park, Wonders and the Order of Nature 1150-1750を今、つまみ読みしている(序章だけは全部読んだ……)。なにぶんデカイ本です。これまで買った洋書のなかでは辞典類や画集を除…