ブラジルの抜け首

 ブラジルの先住民族カヤポ(ボロロと同系語族)の神話。
 夫婦がいた。夫は妻に対して冷酷で、肉と水を与えない。妻は夜中に水を飲もうとして蛙の鳴くところに以降としたが、夫にばれるのを恐れて、身体を二つに切り離した。首だけが空を飛び、髪を翼にして飛んでいった。しかし夫がそのたくらみに気づき、炉の明かりを消して家を闇の中に没させた。妻の頭は帰ることができず、夫はしかも胴体を燻製にしてしまった。やがて頭はヨタカになって飛んでいった。
 クロード・レヴィ=ストロース渡辺公三訳『やきもち焼きと土器つくり』p.60より。

 抜け首……というかチョンチョンの系統ですね。