ヘビ、ヘミの語源?

 で、アルタイ語族論によりますと、ヘビ=ヘミはアルタイ祖語で*p'[ó]jamV(カタカナ表記するとしたらプォヤミ?Vにiを入れてみる)になるそうな。意味は「ヘビ」。
 日本祖語パイミ/パインピ*pàim(p)V>古代語ペミ>中世フェミ>現代語ヘビ。また名瀬、首里方言でハブ、波照間方言でパク。古代のハ行はパ行で発音されたというのは定説(のはず)です。
 テュルク祖語は*ウマン*uman、チュヴァシ語にのみゥマン(?)ъwmanが存在。
 モンゴル祖語は*ヤム*jamu。モンゴル文語ではヤムjamu/a。ハルハ語ではヤムjam(意味はfarcy, glanders)。カルムック語ではヤム。オルドス語ではヤムjamu(意味はchancre, cancer)。シャリ・ヨグル語ではヤム(意味はハルハ語と同じ)。
 満州祖語(トゥングース祖語のほうがいい?)は*プイムル*püjmur。ネギダール語ではヒムximu、ウルチ語ではプイム(ル)pujmu(l)、オロッコ語ではポモイpomoị、オロチ語ではヒムximu、シームsīmu。
 朝鮮祖語は*パヤム*pắjàm。現代語でパムpǟm、中世はパヤムで祖語と同じ。

 素人目には朝鮮語(意味は「蛇」)と日本語(意味は「蛇」)、トゥングース諸語(意味は「竜」「怪物」)には確かに何かありそうな気もします。


 なんにしても、ほとんど知られていない北アジア諸語の語彙と関連があるかも?というだけでも面白いですねえ。