概念
今回の、あちらこちらに拡散していった「妖怪の定義」問題(妖怪の定義について - Togetterにまとめあり)を、私toroiaの視点からまとめてみることにする。 念のため、以下の話はすべて日本限定であることを断っておく。まず、以前から私は妖怪クラスタで使…
Twitterで書いたことをまとめ。 「世界の言葉で妖怪のことをなんというか」(仮題)というのを調べているときに必ず念頭に置いているのが、「英語で妖怪をなんというのか」という問題。実際に英語文献を読んでみると、spirit, demon, supernatural being (また…
記紀を中心とした日本神話について詳細な解説と読解がなされている日本神話の御殿さんのページの「神話形式・類似神話」が試験的に復活・公開されているのに気づきました(試験公開中なので、リンクはしません)。なかなか伝統的な日本でいうと大林太良系の民…
単なる神話学の学説史ならともかく、『政治の美学』のような神話学思想史はなかなか探しづらい。たとえばレヴィ=ストロースの『遠近の回想』やデュメジルの『デュメジルとの対話』のような自伝には他の思想家との交流や自分の育った背景が描かれているが、主…
神話に興味を持って、それをさらに深めるためにどの方向に行くか、というと色々な道があると思います。神話の伝えられている現地に行ってみる、歴史的背景や風俗を調べてみる、神話を基にした創作にハマる、むしろ自分で二次創作する、原語を勉強してみるな…
今年のはじめごろ、「星座は神話によれば動物や怪物や人物が天に上げられた姿なのだけど、そういう神話を語っていた人は、本当に天空にクマだのヘビだの巨人だのが張り付いていると考えていたのだろうか?」と考えたことがあります。 それに関して。ストア派…
たとえば星座神話である。 カニだのヘビだの双子だのが神々によって天に上げられて星々になったと語られているが(たとえばアラトス『星辰譜』27〜には「二頭の熊は連れ立って進んでいく。……もしも話が本当なら、偉大なゼウスの意志によりかれらはクレタから…
「美学」aestheticsの語源はギリシア語のアイステーシスAisthēsisで、「概念的認識」に対して「感性的知覚」を表す。数日前このことを知って衝撃を受けた。そして、なぜバーバラ・スタフォードのやっていることが「神経系美学」なのか、やっと理解できるよう…
オイディプスとスフィンクス(スピンクス)の神話は謎をはらんでいる。それ自体が謎を主題とした神話なのに加え、「神話の意味するところ」を探る人々にとってこれほど深層意識を掘り起こしてくれそうな物語もないと思われる。文化人類学の重鎮クロード・レヴ…
つまり、myrmecoleonさんは伝承の認識論という話題だと思っているのだけど、私が言いたかったのはメタ伝承論的視点……伝承論が使う認識論的枠組みから議論をしている、ということです。先のエントリは自分でもこの2つがごっちゃになってた。 つーか[概念]カテ…
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/m-toroia/20071007%231191784429 私のブログのエントリに反応があったのでお返事します。>博物誌類の「ローマ人が見たアジア」 >外人が見た日本 このあたり。私が取り上げたものとの違いを書いておく(…
Wikipedia日本語版には「アブラハムの宗教」なる謎の言葉があるが、これはいったい何なのだろうか。便宜上ユダヤ教徒キリスト教とイスラームをまとめるための概念だとは理解できるが、そんなに一般的な言葉なのかぁ?たとえばGeNiiで「アブラハムの宗教」と…
何年も前から妖怪系雑誌『KWAI』に連載がある人物のウェブサイトに、もう5年ほど前出入りしていたことがあった。その人は日本の妖怪・怪異譚の収集分類をしており、私も少しだけ協力しようと思った。その収集は徹底的なもので、いまだに私は彼の1/100程度の…
むしろExtraterrestrial Intelligence「地球外知的生命」のインテリジェンスとアグリッパのインテリジェンスが関係ありそうな気がしてきた。 手元にルネサンス魔術についての本がさっぱりないから少しだけ読んでいて思ったこと。話題になって半年以上経つ『…