日本

丑年かあ

牛と神話伝説といえば、なぜか生贄の関係でドロドロしたオカルトちっくなものばかり想像してしまう傾向にあるのですが(『地獄の黙示録』みたくスパッとやってくれればいいのに)、その中で最たるものがクダンと牛女と「牛の首」でしょうねえ。以前……というか3…

2009年の新刊、2008年年末の新刊など

溝口睦子『アマテラスの誕生 古代王権の源流を探る』 「広く北東ユーラシア世界とのかかわりを見すえながら」が神話学的にツボかもしれない。ここでも出てきた、「王権」というキーワードが……。ちなみに講談社学術文庫から筑紫申真の、まったく同じタイトル…

奇談異聞辞典

柴田宵曲の『奇談異聞辞典』がちくま学芸文庫から発売されていましたね〜 これは単独では入手困難な『随筆辞典 奇談異聞編』が文庫化されたもので、その名のごとく江戸時代の随筆から幽霊妖怪譚のほか多くの「奇談」「異聞」を集めたものです。巨大なアンソ…

Wikipedia妖怪リンクの出典探し

あ、それと、今こんなことやっとります。 ノート:日本の妖怪一覧 二、三日でけっこうな量が見つかりましたが、何かまだわからないのもいくつか。ご存知の方いらっしゃいましたらノートのほうに書き込んでくだされば。 それにしてもこの出典探し、上の妖怪馬…

『怪 0024』のヌリカベ記事

以前、朝日新聞に紹介されて話題になった江戸時代(19世紀初頭)のヌリカベの絵画。なぜ今頃話題になったかというと、アメリカのブリガムヤング大学に所蔵されていたものを川崎市民ミュージアムの湯本豪一さんが(デジタル・データを?)見てヌリカベ(ぬ里化遍)…

辻惟雄がハラノムシを……

今日の朝日新聞夕刊に、『奇想の系譜』の辻惟雄が「これは辻さん向きです」といわれてハラノムシの本(「針聞書」が掲載されている)を紹介された、という記事が載っていた。辻さんは案の定この本をいたく気に入ったらしい。「奇想」にはいろいろな種類がある…

妖怪事典化するWikipedia

加筆量 ここ数週間ほど、逃亡者さんによるWikipedia日本語版の妖怪項目への加筆がすごい。多くは村上健司の事典などからの孫引きであるものの、この質と量、このままいけば確実にWikipediaが世界最大のオンライン日本妖怪事典になるのは目に見えている。ただ…

体内のムシ

最近、『戦国時代のハラノムシ』という本を見つけて一読、衝撃を受け即座に購入し、さらに末尾の参考文献一覧にあった『ハラノムシ、笑う』を帰りの電車内で携帯からAmazon.co.jpにアクセスして買ってしまった。 なんでこんな面白い妖怪本が出ていたのに5ヶ…

日本ではない日本 Boundary Transgressions

何年も前から妖怪系雑誌『KWAI』に連載がある人物のウェブサイトに、もう5年ほど前出入りしていたことがあった。その人は日本の妖怪・怪異譚の収集分類をしており、私も少しだけ協力しようと思った。その収集は徹底的なもので、いまだに私は彼の1/100程度の…

百目発見!

以前、『日本のユーモア』に水木しげる画「百目」の元ネタ(と、されているもの)があるようなことを書いたと思うのですが、そのときは出典元までたどり着けませんでした。 しかし偶然妖怪画展覧会情報のページを開いたら、なんとその百目元ネタ(百々眼鬼)が堂…

こんなのヌリカベじゃない

8月4日付朝日新聞夕刊12面に、真実のヌリカベの姿が掲載されていました 二つの絵巻の出あいが今回の「発見」をもたらした。一つは川崎市市民ミュージアムの湯本豪一学芸室長が8年ほど前から所有し、もう一つは米国ブリガムヤング大の図書館に64年か65年に寄…