2010年はトルコにおける日本年です……って、なにそれ?

トメル(語学学校)の玄関階(日本でいう1階)に、でかく日本語だけが書かれたポスターが貼ってあったので見てみたら、2010年は、なんとトルコにおける日本年である、というようなことが書かれていた。トルコ人の女性と日本人の女性が並んでいて、背景はそれぞれ、(たぶん)ブルーモスクと(たぶん)姫路城。「どこにいても、友達」とか書かれている。トルコ語が分かる人たちに訳そうとしたけど、この日本語には人称接尾辞がないので少し戸惑った。
現在イスタンブールのトメルには私を含めて5,6人の日本人がいる(はず)。しかしときどき東アジア系の人とすれ違うと、大抵の場合韓国人である。ただし韓国人たちはつるんでいるので、日本人ではないというのがわかりやすい。

それにしてもこの「A国におけるB国年」というのはなんなのだろう。外務省のページによると、2010年は日本とトルコの今日の友好関係の原点といえるエルトゥールル号の日本訪問および遭難から120年目の節目を迎える、とある。しかし今のトルコ人のうちどれだけがエルトゥールル号の話を知っているのだろう。逆に言うなら日本人のうちエルトゥールル号のことを知っている人はどれだけいるのだろう(別に、知っておくべきと言っているわけではない)。そもそも「トルコにおける日本年」をどれだけ知っているのだろう*1。その上「世界有数の親日国とも言われるトルコ」と書かれている。反日ではないのは確かだ。しかし親日かというとよくわからん。日本人だからといって石を投げられるようなことはないが優遇されるようなこともない。住んでいるところの近くの子供がときどき「コニチワー!」と言ってくれるくらいだ。だいたい親日反日というか、ある国に対する別の国の感情というのは、距離が近ければ近いほど反発するようになり(たとえば日本と韓国と中国)、遠ければ遠いほど反発の程度が薄れる、というのが世界的な傾向なので、ある意味欧米よりも距離が遠く、かつ、いちおう先進国に近いところにあってほかの国のことを考える余裕のある国、というと、まぁトルコが該当するのだろうなあ、とは思う。

トメルのほかの階にはトルコ語で日本の着物ダンス(なんだそれ!?)とか和太鼓演奏会とかの告知ポスターが貼ってあった。よーするに、こういうことをするのが「トルコにおける日本年」らしい。たしかに、日本からイベントをしにトルコに来るということはかなり少ない。記憶に残るのは下半身を露出した江頭2:50とか、つい最近では間寛平がマラソンをしたとか、そういうのくらいだ。でも、どうせなら長期在留邦人向けに定額給付金をばらまくとか公共交通機関で日本人割引をするとか、トメルで日本語教室を開くとか、そういうことのほうを、むしろやってもらいたい……。

*1:2003年は日本におけるトルコ年だったんだって!