スルタンアフメットで客引きに会った。

これまでは路上で話しかけられても普通に日本人の私に興味を持ってという感じだったのだが、スルタンアフメットは違った。さすが「日本人に話しかけるトルコ人は基本無視しろ」と旅行ガイドに書かれるだけある。話しかけられたのはこれまで新市街のイスティクラル通りや旧市街の郊外だったりしたのだが、やっぱ短期滞在の観光客ばかりのスルタンアフメットは違った。

30ぐらいの男に路上で英語で話しかけられ、私日本ととても関係があるんですよー、ってな感じで私(日本人)の関心を引く。そこのかどに私の店があるんですが、どうせだから寄ってかないですか、日本に関係ある人もいますし、って感じで連れてかれる。地下宮殿のあるところの裏道みたいなところに連れ込まれ(まぁ私が自分で歩いたのだが)いつのまにか高級絨毯店に。私がなかなか店内に足を踏み入れようとしないでいると、「トルコ人にとって大切なのは仲間dostだから」とかいう(途中からはトルコ語で会話した)。
よく考えれば店を開けているだろうに手ぶらで通りを歩き、たまたまみつけた日本人と仲良くなるってのは明らかにおかしいのだ。せめてバッグでも持っていて買い物帰り、のように見せかけていれば多少は怪しく思われずにすむものを、こんなんだと客観的に見れば日本人のカモを探してうろついているだけにしか見えない。
ちなみにその店(kilims world)なんだけど、検索したらこのような情報が。その書き込みにあるF氏に話しかけられました(笑)。
残念ながら私は男なので「恋人関係」とか「あなたのことが好きです」とかそういうことは間違ってもないのだが(トルコで「お前はゲイだ」というのは最上級の悪態)、やっぱ女性(とくに金持ってそうな見た目30代以上の人)は、スルタンアフメットだけは気を付けて歩いたほうがいいと思う。名刺もらって「あとでまた来ます」って逃げて通りに戻ったが、そこで「日本人女性&日本語を操るトルコ人」の組み合わせをさっそく2組も見かけた。まったく……。名刺はゴミ箱に捨てた。
日本語を話す客引きトルコ人にあったらどういう日本語で話したらいいんだろうとか帰りの電車の中で考えていたんだけど、漢文調で話すのはいいかもしれないと思った。「何をか言わん」とか「豈図らんや」とか「無きにしも非ず」とか。口語はけっこう日本語教科書にも載っているだろうしね。

イスタンブールの名誉のために言っておくと、たぶんスルタンアフメット以外のそこらへんの店なら何も買わなくてもお茶出してくれたり、1杯飲んで「もういいです」というと「俺たちのことが嫌いなのか!」とか言ってくるくらいなので、ご安心を(トルコ語が話せるなら、なおよい)。まぁ短期旅行なら気を付けるに越したことはないですが。