近況
ここ数週間Wikipediaから離れている。なぜかやる気が起きなくなってしまった。今となってはそのほうが気楽に思えてきた。
岡沢秋さんのブログをみて、初めて『ヘイムスクリングラ』が一般書籍として流通していたことを知る。岡沢さんは第2刷以降のほうが、とおっしゃっていますが、なんか安そうなので買ってみますかね……。
あと気になったのが
http://55096962.at.webry.info/200812/article_12.html
キリスト教思想にありがちな、「変わらぬ普遍的なものを神と呼ぶことにしよう」という論理に(結果的に)なっています。本質主義的な考えで、言ってみるなら一種の神学です。だから、人類学に親近感をもつ私としては、相当の違和感があります。まぁこれは「神」という対象に接近するための方法が違うだけの話、ではあります。人類学用語を使うと、私が相対主義的なemicの視点で、岡沢さんが、本質主義的なeticの視点で神(という概念)を理解している、ということになるでしょう。
ただ、キリスト教における悪魔が悪魔なのはキリスト教のせいではないことが多い、というのは事実。それは、宗教史上、ベルゼブルやモロクなど中東の神が悪魔になったのは大半がユダヤ教のせいだからです。サタンやルキフェルはもともとユダヤ教やキリスト教内部の存在だし、ベリアルやマモンもよい意味では使われない普通名詞が悪魔の代名詞となった例。アスモデウスはゾロアスター教由来ですが、その時点で悪魔だった。ベヘモトやレヴィアタンは単なる怪物。
ちなみに最古の悪魔画は古代末期に存在していました。ただ、人間とあまり変わらない姿。岡沢さんの言っているのは、おそらく「いかにも悪魔っぽい」悪魔が北方で誕生した、ってことでしょう。