ミカエル、ガブリエル、ラファエル

ユダヤ教の天使論はバビロン捕囚以降、とくにアケメネス朝のキュロス解放以降に発展したというのが通説でこれは十数世紀前から言われていることなんですが、とくにゾロアスター教からの影響が大きいらしい、というのも昔から言われていることです。具体的には、アンラ・マンユの陪神であるアムシャ・スプンタたちがユダヤ教の天使マルアーフのベースであると。
 ゾロアスター教といえばイランの宗教で、イランといえばインド・ヨーロッパ語族。アムシャ・スプンタに印欧語族の三機能が見られることはデュメジル『大天使の誕生』に証明されてます。
 アシャとウォフ・マナフが主権の二側面。
 クシャスラが戦闘機能。
 ハルワタート(健康)とアムルタート(不死)が双子の豊穣機能。
 アールマティは、機能を行き来する女神。

 そしてユダヤ教エレミヤ書からは、この時代印欧系の三機能が知られていたことがうかがえます。
 で、キリスト教の三大天使とその意味。それを三機能で解釈すると
 ↓
 ミカエル 神のごとく=主権
 ガブリエル 神の力=戦闘
 ラファエル 神の癒し=豊穣

 うお!なんて見事なんだw
 昨日この説を読んでびっくり。ウリエルはどうなんだ、とか、実際戦うのはミカエルじゃないか、とか並んで出てくるわけではない、とか色々言われそうですが、そりゃ三機能体系を名称に受け継いでいるというのだけでも十分でしょう。彼らはセム語系なのですから。