四海龍王の姿

最近、中国の四海龍王のことを少し読み始めてみることにしました。きっかけは『しにか』1997年1月号の「水の神々」にある一つの図が気になったからです。というのも……

右にあるのが、キャプションも同時にスキャンしたからわかると思うけど、その四海龍王(龍神)たち。何か気づきませんか?……少なくとも私は、この4人に、ある流れを発見しました。
それは「老壮青」。政治家言葉に良く使われるキーワードですが、要するに人生の区分けで、老年・壮年・青年ということになります。それを彼らに当てはめてみると、左端が老。その隣が青。そして右端が壮ということになります。
では、左から3番目は?
私はそこで、これは「鬼」ではないか、と思いつきました。鬼とは日本では妖怪のことですが、中国では死者の霊のこと。つまり、このいかにも怪物っぽい顔をした龍王は、死者の姿を現した「鬼」ではないか、と思えるのです。鬼老壮青。死後も世界はつながっているという観念にぴったりではないでしょうか……。
でも典拠がわからないんですよねえ。道教でこのように並べて書かれた神々の顔の特徴がすべて異なる、というのは結構珍しいことなので、何かしら理由はあるはずなのですけど。とはいえ、toroia的には、四海龍王のことはまだ調査も端緒ですから、これから探したりこうやって情報を公募してみると案外あっけないところにソースが見つかるのかもしれません。

・鬼老壮青 この解釈は微妙です。人に見せたところ、むしろ「左側2人は普通の人間で、右側2人が妖怪みたいにみえる」という意見がありました。

http://tw.knowledge.yahoo.com/question/question?qid=1405121411532
ここによると、
東海龍王:敖光,戴帝冠。三子為鰲丙。
西海龍王:敖順,小冠長鬚美髯
南海龍王:敖明。
北海龍王:敖吉,年輕無鬚
こうあります。西北ニ龍王については、姿の描写についての伝統があるようです。ただ、それが年齢階層を現したもの、というわけでもなさそうです。