世界の言語で「妖怪」をなんというか

twitterのほうではちょこちょこ書いてきましたが、今、「世界の言語で、日本語の『妖怪』にあたる単語は何か」というテーマで色々と辞書を引きつつそれらしい語を集めているところです。もちろん「妖怪」そのものに当たる言葉はないし、和*辞典でも辞書見出しに「妖怪」があることは少ないので、「精霊」とか「幽霊」、「悪魔」などにも概念を拡張していろいろ探しているところです。
今のところ、データ入力した言語は50音順で以下の通り。
Dehong、Kurux語、Lue、Lungchow語、Lungming、Luquan、Mortlockese、Panyjima語、Pingilapese、Shr. (ショル?)、Son sorolese、アイルランド語、アカ語、アストゥリアス語、アゼルバイジャン語、アチャン語、アツィ語、アヒ語(阿細語)、アルス語(甘洛)、アルタイ・キジ語(標準)、アルタイ祖語、アルバニア語、イ語(墨江)、イ語(喜徳)、イ語(大方)、イ語(南華)、イ語(南澗)、イ語(弥勒)、イスナグ語、イタリア語、イタリア語トスカーナ文語、イバロイ語(Bahong, La Trinidad etc)、イバロイ語(Dalupirip, Tinungdan etc)、イロンゴット語(Kawayan etc)、イロンゴット語(Payo, Ganao etc)、ウイグル語、ウェールズ語、ヴォルガ・タタール語、ウォレアイ語、ウゴル祖語、ウズベク語、内蒙古語、英語、エヴェンキ語(中国)、エミラ語、エロマンガ語、オイロト語(Oyrot, Mountain Altai)、オーストロネシア祖語、オセアニック祖語、オランダ語、オロモ語、オロモ語(ボラナ、オルマ、ワタ方言)、カヴァラン語、カザフ語、カタルーニャ語カタルーニャ語トルトサ方言、カチン語、カテ語、カム=スイ祖語、カム・チベット語瓊波/沖倉方言、カラ・カルパク語、カラウ語(Karaw)、カラチャイ・バルカル語、カラハン朝テュルク語、カリンガ語(KlaC [Lbg])、カリンガ語(KlaSW [Dnc])、カルトヴェリ祖語(?)、カルムィク語(ドルボト、オルト方言)、カロリン・タナパグ語、カロリン語、カンナダ語、ギャロン語(梭磨)、京語、キリバス語、キルギス語、グイチョン語、クサイエ語、クムィク語(Kumyk)、クメール語クメール語(プノンペン)、グルジア語、グルン語、ケナボイ語、ケレラビト=ルン・ダイェ祖語(Proto-Kelabit-Lun Dayeh)、ケワ語、現代アイルランド語、現代ギリシア語、古英語、ゴート語、古期テュルク語(ウイグル語)、古期バリ語、古教会スラヴ語、古高ドイツ語、古ザクセン語(古低ドイツ語)、古代ギリシア語、古代日本語、古典アルメニア語、古ノルド語、コプト語(古期、ボハイラ、サヒド方言)、コプト語サヒド方言、コプト語ボハイラ方言、古フランス語、古プロヴァンス語、コミ語(ジリエン語)、コラガ語、サーロア語(Saaroa)、サタワル語、サニ語、サバン語(Sa'ban)、サルディーニャ語北部方言、サンスクリットジーヌオ語、シェ語(畬語)蓬花方言、ジェノヴァ語、シェ語(畬語)羅浮方言、シダモ語、シヒン語、ジャパ語、ジャワ語、シラ・ユグル語、シンハラ語、ジンポー語、スイ語、スヴァン語、スウェーデン語、スゴウ・カレン語(Sgaw)、スペイン語、スンダ語、西部ミクロネシア祖語、セブアノ語、セムナム語、セルボ・クロアチア語、先マレー語、ソロン語、ダイ語、タイ語(Thai)、タイ祖語(Tai)、タガログ語、ダグール語、タタール語、タミール語、ダルマティア語ヴェリア方言、タンクル語(tangkhul)、チェコ語チベット=ビルマ祖語、チベット語チベット語(沢庫)、チベット語(デルゲ)、チベット語(夏河)、チベット語(ラサ)、チベット文語、チャム祖語、チャモロ語、チャン語(桃坪)、チャン語(麻窝)、チュヴァシ語、中央南部カリンガ祖語、中期英語、チューク語、チューク祖語、中高ドイツ語、中国語(Proto-Min)、中国語(カールグレン)、中国語(後漢)、中国語(古代北西 AD400年)、中国語(再建古代音)、中国語(ピンイン)、中国語(蒙古字韻)、中世ラテン語、中低ドイツ語、ツォウ語、テュルク祖語、テレウト語、テレフォル語、デンマーク語、ドイツ語、トゥヴァ語、トゥ語、トゥチャ語、東部ボントク語、トゥル語、トゥングース=満州語、トゥングース祖語、ドゥンシャン語、トーロン語、トカラ語A、トファラル語、ドラヴィダ祖語、ドルガン語、トルクメン語、トルコ語、ナシ語、ナシ語(*江)、ナシ語(永宁)、ナムイ語、南西タイ語(Tai)、南部コルディレル祖語(Proto-Southern Cordilleran)、南部中央コルディレル祖語、南部ボントク語、西夏語、日本語、日本語(古代)、日本祖語、ヌー語(福貢)、ヌー語(碧江)、ヌン語(Nung)、ノガイ語、ノストラティック祖語、ノルウェー語、ノルウェー語方言、パーリ語、バオアン語(保安語)、ハカス語、バシキール語、バスク語、ハニ語(HT本)、ハニ語(K本)、ハニ語(豪白)、ハニ語(碧卡)、ハニ語(哈雅)、バリ語、ハロイ語(Haroi)、ハワイ語(? HWN)、ビス語、ビルマ語、ビルマ語(仰光)、ビルマ文語、フィリピン祖語、フィン・ウゴル祖語、フィン・ペルム祖語、フトゥナ・アニワ語、プヌ語(布努語)、ブヌン語、プミ語(Dayang)、プミ語(桃巴)、プミ語(箐花)、プラークリット、フランス語、フリウリ語、ブルジ語、ブレトン語、プロ・アンナン語(Pulo-Annan)、プロヴァンス語、ペー語(大理)、ペー語(剣川)、ペー語(碧江)、ポアイ語、ポーランド語、北部タイ語(Tai)、ボド語、ポルトガル語ポンペイ語、マオリ語、マラーヤラム語、マラヤ祖語、マラヨ=ポリネシア祖語、マリ語(チェレミス)、マレー語、マンシ語(ヴォグル語)中部コンダ方言、ミェン語(勉語)、ミクロネシア祖語、南フランス語、ミャオ語ミャオ語(青苗shib)、ミャオ語(偏苗shuat)、ミャオ語(白苗Dleub)、ミャオ語(花苗Buak)、ミャオ語(花苗Soud, Bes)、ミャオ語(標準文語)、ミャオ語(緑苗、西Nzhuab)、ミャオ語(緑苗、東Nzhuab)、ミャオ祖語、ミングレリア語、ムニャ語、モキール語、モルドヴィン語、モンゴル語、モンゴル祖語、モンゴル文語、ヤオ語(eastern Mun)、ヤオ語(Mien)、ヤオ語(Muen)、ヤオ語(western Mun)、ヤオ祖語(Proto-Mjuenic)、ヤクート語、ヤミ語、ラオ語、ラキャ語(Jintian, Liula)、ラキャ語(Jinxiu)、ラキャ語(拉伽語)、ラキャ祖語、ラズ語、ラディノ語、ラテン語、ラトヴィア語、ラハ語(Laha)、ラフ語、ランス語、リス語、リトアニア語、リンブー語、ルーマニア語、ルシェイ語、ルシャイ語、レナケル語、レプチャ語、レンディーレ語、ローバ語(蘇竜)、ローバ語(義都)、ローバ語(博嘎爾)、ロシア語、ロマンシュ語エンガディン方言、ロマンス祖語、ロロ=ビルマ祖語、ワ語(Masan)、錯那門巴語、爾龔語、東国正韻式漢字音、墨脱門巴語、窩尼語、僜語(格曼)、僜語(達譲)
先に言っておくと、数は多そうに見えますが、まったく網羅的ではないことはじっくり見てみればわかります。たとえば韓国語、アラビア語、ペルシア語、フィンランド語、ハンガリー語古代エジプト語、ヒンディー語ヘブライ語ウルドゥー語、ヴェトナム語、バビロニア語などのメジャーな言語が入っていない。
それとは別に、いくつか大きな地域的な空白もあります。まず、古代エジプト語とアラビア語を含め、アフリカ大陸の言語が全然入っていないこと。また、南北アメリカ先住民の言語はまだまったく手を付けていないこと。オーストラリア先住民言語も同。また、たとえば日本語で「妖怪」というカテゴリー名ではなく、総称に近いけど限定されてしまっている「鬼」を選択する、というような感じの言語もかなりあります。充実した言語もあれば、ほかの言語の辞典で「○○語では***である」と書かれているのを孫引きしただけの言語もあります。とくに神話伝説の情報が豊富な言語では、逆にどれを「妖怪」にあたる代表的単語として選択してしまえばいいのか相当悩むところで、そんなこともあってバビロニア語やヘブライ語などを入れてなかったりします。それと、ほかの辞典系のとはちがって「祖語」が入っているのは珍しいかもしれません。でもいちばんメジャーなインド・ヨーロッパ祖語は入ってないw ノストラティック祖語は入っているのですけど。
要するに完成には程遠いということで、暫定的な公開もずっと後のことになりそうです(誰か他の人に先を越されたりしなければ、の話ですが)。


追記(9/14)
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/min/1284168942/n6-7で話題になってるんだけど、明らかに違う方向で「すごい」と言われているんですが……(というか、単なるイヤガラセだなこれは)。まさか上記の言語をすべて読めるとかそんな勘違いをしてもらっては困るし(満足に読めるのは日本語と英語とトルコ語だけ)、まして「英語も数日で読めるようになった」なんて一言も言ってない(そう勘違いされる感じのことさえ言っていないはずなんだけど)