第四之書『パンタグリュエル物語』第34章「パンタグリュエルによって、怪物鯨が退治されたこと」
パンタグリュエルが怪物鯨に次々と槍を投げ続ける。そして結局脇腹のこっち側に50本、向こう側に50本、投槍が突き立つ格好となった。
「そこで、死んだ魚がすべてそうするように、鯨も、死にながら、仰向けになり腹を見せた。そして、背なかに刺さった桁のような投槍を海へ突っ込んだまま、ひっくり返ったその姿は、古代の賢人ニカンドロスが百の脚を持っている蛇と記している大海獣スコロペンドラにそっくりだった」(渡辺一夫訳)。