宇宙人が地球にやってくるというアイデア

別の天体に生物がいるという考えが古代ギリシアからあることはわかった。

では、今の宇宙人観に直結している「宇宙人」という発想はいったいいつごろからのものなのだろう?

ここで、勝手に具体的に「宇宙人」というものを定義してみよう。

1.知的生命体。
2.地球に来るだけの科学技術がある。
3.地球にいる。
4.地球を侵略しようとしている。

1.は神話伝説にもあるからここでは問題視しない。
2.以降、とくに3.の発想というものがいつごろ誕生したのか、そこに興味がある。人間が宇宙に行くというのはルキアノスの「本当の話」にもあるし、空を飛ぶ/川を流れる延長上で天の川まで飛んでしまいましたという話も中国にある。でも、あっちの住人が、神や天使などではなく、人間と同じレベルでの住人が、こっちにやってくるという発想は? その方法が、超自然的なものではなく、科学技術の延長、だという発想は?
4.は、まあ、オプションということで。
「宇宙戦争」より前であることは確実なのだが・・・。思想史よりもまずはSF前史を調べてみたほうがいいんだろうか。でも、知りたいのは創作上の設定ではなく科学上の仮説やそれに一部基づいた妄想・信仰の起源なんだよなー。

 ちなみに4.は「侵略」ではなく「友好」というパターンもある。また、「観察」というのもあるが、前世紀後半からは「指導する」というパターンが増えてきた。とくに生物的な宇宙人というイメージではなく「宇宙存在」のような精神的なイメージが増えてきて、それがニューエイジ新宗教運動の重要な要素となったというのはよく知られている。でも、こういうものの直接的なルーツもまたよく知られていて、それは「2001年宇宙の旅」に出てくるモノリスである。神様を形而上的存在から宇宙的存在に配置換えして、「新しい神様」を作ったわけです。