仏教の宇宙論、月日

 定方晟『須弥山と極楽』によれば、仏教の宇宙論では月と太陽には四天王の眷属たちが植民しているそうな。でも地球と同じ天体ではなく、ヴィマーナという、一部では長古代文明の航空兵器だと目されている乗り物に乗っているんだと。
 この『須弥山と極楽』、仏教の創造神話・・・を考えていて、あ、そういえば本棚にあったなと思い引っ張り出して読んでみたんですが(こういうパターン多いな。まさに図書館型知識……)、そのなかに月日のことが書かれていました。定方さんはイランやギリシャの神話、デモクリトスアリストテレス哲学、仏教以外の印度思想なども比較してあれこれ仏教の宇宙論を炙り出しています。ベースは『倶舎論』。新書版なので参考文献指示がほとんどないのが残念なところですが、もし興味があるなら手元においていて損はないと思います(けっこうな数の本がこの本を参考にしてるはず)。ちなみに私は祖父からこの本をもらいました。

 創造神話でいえば、「神話」と呼べるほどのものはないようですが、いわゆる「四劫」というのがそれにあたるみたいです。
 「成劫」 その前に、前の世界が崩壊する壊劫があり、そしてなにもない空劫がある。そして、もろもろの有情(うじょう。生き物)の業の増上力によって微細なる風が動き出す(定方さんによるツッコミ:いったいどこの有情のことなんだ?)それから風輪ができて、水輪、金輪、大地、四洲、須弥山などが生ずる。壊劫のときに二禅天界に避難していたものたちが、下の世界へと生まれ変わる。

 こういう周期が無限に繰り返されるのがこの世界じゃー。まぁ、インド思想そのままってことですね。