ことばの取り違え

昨日に引き続き、某ページをネタに取り上げてみます。

ギリシア語で羽を指す言葉とヒレをさす言葉とが同一ということにも理由があるのでは、とラオという人が言っています。へぇ。で、調べてみました。羽(φτερο)とヒレ(φτερυγιο)。

補足しますと、これはラテン語でもとてもよく似ています。pennisとpinnis。参考:カイエ:
セイレンについて  [美術]  

同様に、「スキタイの植物の羊」にも同じような起源が提唱されていたりします。
リーという人によれば、ギリシア語のμηλον(メロン)が「果実」とも「リンゴ」とも「羊」とも訳すことができる。また、そこに使われている形容詞εαρινον(earinon)は「春の」「若い」ヴァーナルという意味になる。そこでこれを組み合わせると、もともと「春のリンゴ」を意味していたはずの言葉が、死語となったラテン語を読んだ後世の人によって「若い羊」と考えられたとしてもおかしくない、という。確かに。

今では、中国のほぼ同時代に類例があることから、ラテン語の誤読というよりはオリエント世界に源泉があったのではないかという説が有力なようですが。