龍の棲む日本
3年かけてようやく最後まで読み終えたが、結局なんで日本を取り囲む龍が日本の下敷きになってるナマズになったのかわからないままだったぞ。とはいえ『竹生島縁起』に龍=胴体の長い鯰という話があり、『今昔物語集』にも島を取り巻く鯉の話があったので、魚と龍が島を囲繞する長い生き物だったという観念はあったらしい(cf. 斎藤純2001「龍と龍宮の伝承」p. 96。『龍の棲む日本』(2003)は、どういうわけか似たようなテーマを扱っている斎藤の論文を知らなかったらしいが)。そういったシンボリズムの問題は史学じゃ限界があるのかな。