ケルトのドラゴン

竜とドラゴン@SiteDev、ひそかに更新中。

 しかしケルトのドラゴンは少ない。キャサリン・ブリッグズは「アイルランドの妖精物語や英雄伝説には、奇妙にもドラゴンやワームがあまり出てこない。敵役となるのは主として巨人――これは非常に多い――と妖婆ハッグである」って書いているし『アジア遊学』の「ドラゴン・ナーガ・竜」特集号(no.28)にも「アイルランドでは、蛇の伝承は数少ない……」と書いているからこれはtoroiaだけの思い込みではないようだ。
 「少ない」のだから「ないわけではない」というのがややこしいところである。どっちもアイルランドに限定しているのはたぶんウェールズの赤いドラゴンやスコットランドネッシーが念頭にあるからなのか?(後者はちょっとわからないけど)。
 そんなアイルランドのドラゴンについては『ドゥアナレ・フィン』(フィン歌集、12〜17世紀)に、この英雄が退治した怪物蛇が延々列挙されているとのこと。非常に興味深く思えたので"Duanare Finn"をAmazon.co.jpで検索してみた……あった。でも2巻と3巻だけだった。肝心の蛇怪物列挙がある第1巻はカタログにも載っていなかったよ。あーあ。運が悪い。