ベクシンスキー死す

 ポーランドの現代画家ベクシンスキーさんが何者かに殺されたとのこと。

 刃物で刺された形跡があった。

 公式ページより

 Zdzislaw Beksinski is dead...


 作品集

 ベクシンスキーを始めて知ったのは2chのオカルト板でのこと。3年前くらいか。もともと現代美術(音楽も含め)は好きだったのだが、ベクシンスキーの幻想的で奇形化した人体の表現に一気にひかれ、ネット上で色々と探してはしばらく眺めてたりしてた。とくに上の「作品集」ページの一番左上にあるやつなど、長い間壁紙にしてもいた。90年代以降はコンピュータグラフィックの分野で作品を発表するようになったが、個人的には、アナログな油のにおいがする旧来の、70年代の作品のほうが好みだった。音楽の分野で言えば、その印象だけで判断すると、60年代のペンデレツキと同様の傾向があったのかもしれない。
 H.R.ギーガーもまた奇形化して機械や性器と融合した人間……物体の作品を発表し続けているが、初期の作品はベクシンスキーと同時代であって、ある意味「時代精神」を感じさせる。しかしギーガーが平面的で機械的であるのに対し、ベクシンスキーに無限の奥行きと人間への絶望感があるように見えるのは、彼が大戦を経験したポーランド人だったからなのだろうか。

 彼の作品が死後どのように評価されるかは、わからない。
 それでも、私のここ数年の幻想イメージに大きな影響を与えた芸術家であることには、かわりはない。