火星人襲来

 今年の夏公開予定の映画「宇宙戦争」が、今自分の中ではすごく楽しみです。

 監督スティーヴン・スピルバーグ、主演トム・クルーズダコタ・ファニングでトムの報酬が全額出来高だというのですから、(マイノリティリポートでは痛い目にあったわけだが)とりあえず、期待するしかありません。

 宇宙戦争とは、ご存知ジュール・ヴェルヌと並んで現代SFの元祖といわれているH.G.ウェルズが19世紀末に執筆したSF小説。侵略ものの嚆矢です。
 20世紀初頭(執筆当時は未来)、火星で謎の爆発が規則的な間隔で観測された。しばらくして、イギリス郊外に隕石が落ちてくる。どうみても自然物とは思えないその落下物の中では、火星人(一度姿を見せている)が何かを組み立てているようだった。このエイリアンと交渉しようとしてきた一団は、突如謎の熱線であっという間に黒焦げにされてしまい、さらに周りの野次馬もほとんどが攻撃にあってしまった。しかし当時のことだからすぐに情報が伝わるわけもなく、人々はのんびりと暮らしていたのである。隕石からは巨大な三脚兵器が登場して、次々と周囲のものを破壊していった。だが、イギリス陸軍の砲兵隊も反撃を試み、当たってしまえば兵器を破壊できることが判明する。しかし火星人の兵器はさらに上を行っていた。ロンドンへと着々と歩みを進めるウォー・マシーンたち。ロンドンはどうなってしまうのか?! そして人類の運命は!??
 とまあこんな感じのお話なのですが、オチもこれまた有名なアレです。
 この「宇宙戦争」をベースにした映画が数年ほど前に2作ほど公開されましたが、それが『インデペンデンス・デイ』(ID4)と『マーズ・アタック!』の2作。オチが意外だという宇宙人侵略ものだと『サイン』てのもありますな(これは「別の意味で」オチが壮絶だったが……)。パロディタッチのマーズアタックはともかく、ID4は(突っ込みどころ多すぎ、アメリカ中心みたいな通り一遍の批判はあれど)「娯楽大作」としてはかなり高い評価を得られているので、当初「映画としてこれより面白いものができるのか」などと言われたりもしてます。でも、少なくとも予告編は近年の映画の中でも稀に見る出来。『プライベートライアン』なみの戦争映画になるのかまさかのどんでん返しで『サイン』になっちゃうのか(ありえないだろうけど)、とりあえず夏までは死ねない。
 ドリームワークスのファンサイトではいくつか撮影風景とトムクルーズの写真が掲載されてますが、これを見ると舞台は現代で、トムの目の前にウォーマシーンが登場して相当な被害にあう模様。別のサイトには、ボーイング747がぶっ壊れて墜落してるところの撮影風景もありました。

 ちなみにオーソン・ウェルズがリアルなラジオドラマ形式で『宇宙戦争』をやって、それを真に受けた人々がパニックに陥ったというのは有名な話。この人たちは「幻想の存在」にすぎない火星人の存在を「信じてしまった」わけで、幻想動物の事典でいつかスキャパレルリなどの火星運河の話も絡め、「火星人Martian」の項目でも立ててみたいと思います。toroiaにとっては、これも立派な「幻想動物」です。幻想動物はあくまで「現象」であって「実在」ではないのです。
 ほかに宇宙人の項目もいくつか立てたいんですが、なかなか資料が絞り込めず、躊躇しているところ。