20,000を超える神名事典

以前、11,000もの女神名が載っている辞書というのを紹介したと思うのですが、今度は2万を超える神名が掲載されている辞書を発見しました。その名もMarjorie Leach: Guide to the Gods。リーチさんの『神々案内』。
 リンク先のレビューにあるとおり、記述は非常に簡潔です。1行程度しかありません。1つ1つに参考文献がついてます。配列は大雑把な属性順になっていました。
 しかし、2万5千円は高いですねぇ。でも欲しい。でも買えない。

 ところで、私は密かに「妖怪・精霊のほうが神々より多く知られているのではないか?」と思っていたのですが、どうもそういう状況にはないようですね。こういうのは必然的に文字資料を中心にしなければならなくなるのですが(当然ながら、1人[または少人数]で全世界のすべての文化を踏破するのは不可能です)、まず、近代以前では、世界的に神々への祭儀文書のほうが迷信を記した文書より圧倒的に量が多く、性質がある程度理解しやすいということ。文化人類学的な調査においても、無文字文化ではまず崇拝される神々の名前は確実に記録されても、精霊や妖怪といった、ローカル性の高いものは記録されることが滅多にないということ。どっちも、妖怪・精霊の伝承を担う人々が文字を知らなかった、という、問題点があるわけですね。だから必然的にハイ・カルチャーに属する神々のほうが多くなってしまうわけです。少し残念です。