http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040315-00000262-jij-int
この天体は、地球から100億キロの距離にあり、直径約2000キロ。氷と岩でできているとみられる。太陽系の天体として、1930年に見つかった冥王星(直径約2300キロ)以来、最大となる。イヌイット(エスキモー)神話の海の女神にちなみ、「セドナ」と暫定的に命名された
セドナです。
イヌイットの女神です。
水木しげるの妖怪画にも、ちゃんと収められてます
解説では
日本で、海の主などというとすぐに〈海坊主〉の類が連想されるが
違う、とあります。しかし 水木しげるの書くセドナはどう見ても海坊主です……。
セドナについての神話は北米大陸北部全般に伝わっているらしくかなりいろいろありますが、どちらにしても海の女神であることに変わりはないようです。
ところで、なんでセドナなんでしょうか? これまで天体につけられた暫定的な呼称を知っているわけではないのでよく分かりませんが、これまでの天体名とは神様つながりくらいです。まあヤハウェイとかフェイトンとかわけのわからない名前を唱える人たちよりは(ry
これまでのは
水星 メルクリウス、ヘルメス 旅・策略の神
金星 ウェヌス、アプロディーテ 美と性愛の女神
地球 とくになし
火星 マルス、アレス 戦争の神
木星 ユピテル、ゼウス 最高神
土星 サトゥルヌス、クロノス 農耕・時の神
天王星 ウラヌス、ウラノス 天空の神
海王星 ネプトゥヌス、ポセイドン 海の神
冥王星 プルトン、ハデス 冥界の神
となります。私のようなクラシックオタクはホルストの管弦楽組曲を思い出してしまうのですが、どれもギリシア・ローマの主神クラスの神々の名前です。衛星名も古典神話から命名されていますが、確か土星だか木星のはティターニアやオベロンなどシェイクスピアから取られていたような気がします。
天王星、海王星、冥王星を命名した人が誰かは分かりませんが天才的ですね。素晴らしい名前です。というかかっこいい。
冥王星の命名の経緯がhttp://www2.crl.go.jp/ka/TNPJP/nineplanets/hypo.html#plutonamesにありました。それによるとアトラス、アルテミス、ミネルウァ、タンタロス、バッコス、アポロなど候補にあったようです。アポロは太陽神ですから論外として……太陽から一番遠いというイメージとしてはタルタロスもなかなか粋な名称だとは思うのですが日本語訳が最低星とかなりそうです。ちなみに冥王星の衛星はカロン。冥界の渡し守。妥当な名前ですね。
どちらにしてもセドナと命名してくれたおかげで(仮ですが)イヌイットの神話が少しでも広まるようになればそれはそれで嬉しかったりします。
ちなみに、今回のはまだ「天体」であってそもそも木星とかと並ぶ立派な「惑星」かどうかは判断がついていないようです。