『古事記の起源 新しい古代像を求めて』

最近、新刊情報ばかりになっている気がする。
でも、どういうわけだか気になる本が多いんです。

工藤隆、『古事記の起源』中公新書の新刊。
これ、なかなかいいですよ。厳密な文献史学と緩めの比較神話学がいい塩梅で混ざっている具合でした(1分少々立ち読みしただけですが)。それにしてもこの本を含む「雲南(周辺)に日本の原風景がある」的な主張って、立っては消えていきますよね。やっぱりフィールドワークしやすい地域なんでしょうか(私の友人も一人、雲南の大理に行っていました)。たまにはシベリアやオセアニア方面にも出派ってほしいものです。

『読み替えられた日本神話』も、立ち読みしてみました。現代に至るまで、こちらもなかなかまとまった内容っぽいです。ただ、やっぱナウシカあたりからは二流サブカル評論に落ちていってる気がします。以前「出版社に言われたんだろう」と書きましたが、単にこの人、宮崎駿しか知らないだけなのかもしれない。