指輪と腕輪

 『ヴォルスンガ・サガ』の、読んでいてとてもつまらなさそうな要約を書いていると一つの事に気づく。重要なアイテムとなる「指輪」はもともとはアンドヴァリの「腕輪」だった!! よく考えれば当たり前のことで、小人アンドヴァリにとって腕輪なら、それは小人より大きな人間にとっては指輪になるってことなんだろう。
 以前BSでワーグナーの『ラインの黄金』を見たとき、逆のことがあった。ファフナー(だったっけ)の指輪が神々のものになるのだが、ファフナーは巨人という設定なので大きなハリボテ、ついでに手も大きい。だから指輪も大きくて、人間が演じる登場人物が持つと必然的に腕輪になっちゃうんだなー。まあ舞台作品だから指輪みたいな小さい道具じゃ見えないし、大きく目立つように腕輪にしたんだろうけど、結局最後まで(ブリュンヒルデが捨てるまで)指輪は腕輪のままだった。