幻獣大全のリファレンスの書き方には萎える

「幻獣大全」に少し言及した関連で、いくつか(ここを読んでいるとは思えないけど)注文をつけておきます。
それは「リファレンス」。

p.656の「書誌」、上から空白行のぞいて7行目

>言語文化研究:第1〜4巻 徳島大学総合科学部
>九州ドイツ文学:第11〜13号 九州大学独文学会

……いやちょっと、編集担当さん、それってリファレンスの書き方としては非常に間違ってますから。定期刊行誌の場合、常識的には参照した論文の「著者」「タイトル」「雑誌のなかのページ」「日付」の4つは必須です。そうじゃなきゃどの論文を参照したか、(一般人には届きにくいところにある)大学紀要や学術雑誌をじかに手にとって見ないとわかりません。そしてそんな機会、置いてある大学図書館にもぐりこむか、そこに入れる身分の人に頼むぐらいしか方法はありません。何を参照したかわからないのに書誌もなにもありますかいな。自分の読んだ本を並べていればいいってわけじゃないですよ>『幻獣大全』さん。まあ、Googleで検索すれば何を参照したのかぐらいはわかりますけど(シグルズ→ジークフリート伝説についての石川栄作さんの論文です)。
それと、「専門家の目にも耐えられるよう資料の出典を細かく掲載」とありますが、専門家どころか素人の目にも耐えられない出典の明記の仕方をしているのはかなり疑問です。というのも、いちいち物語が掲載されている本のタイトルを掲載するのはいいとして、その本がどこに載っているか「書誌」を見ただけじゃさっぱりわからなかったりするわけです。529ページには「ゲルデルンの年代記」が出てきて、「原文にはドラコdracoとある」とあるもんだからてっきり洋書を参照しているのかと思えばさにあらず。たまたま私の手元にあったからよかったのですが、『世界の龍の話』という日本語の本の149ページに、「ゲルデルンの年代記」の版画+解説文の図が載っていて、それを読んでみるとdracoと書かれているだけの話だったりします。ここは「ゲルデルンの年代記」(脚注:竹原威滋&丸山顯紱(編)『世界の龍の話』p.149)と書かなければ、ぜーーーーーんぜん「出典を細かく掲載」って言えないですよ。

下のエントリには、健部さん一生懸命編集中とかいう書き込みを引用しておきましたが、この点、直ってるでしょうか?

ついでに私の場合、去年の10月ぐらいから「幻想動物の事典」追加項目、および「竜とドラゴン」にはページ番号まで記入した出典を記録するようになりました(ただし、事典のほうは依然としてリファレンスは非公開のままですけど)。だって自分で「あれ? この本に載ってるはずなのに!」って本をひっくり返すこと幾千回、いい加減馬鹿らしくなってきたんですもん。

livedoorが危機的状況にありますが、この「予約」機能っていいですね。いつ下書きをしてもきりのいい時間帯にアップロードできるから……つまり私が言いたいのは、このエントリもいつ書かれたかわからないということです。この日付は1月18日11時8分にあわせてます