ロマンという言葉を連想するようなら(特に最後のやつがいけない)、

少し前にハヤカワ文庫から文庫化された『奇怪動物百科』、解説に金子隆一さんがけっこういい事書いてます。

もしもあなたが、本書に対して、世間の大人がネッシーの新聞記事を読むときのように斜にかまえていたり、図像学的な興味からのみ眺めようとしたり、ロマンという言葉を連想するようなら(特に最後のやつがいけない)、残念ながらあなたは本書の多様な面白さの一側面しか見ていないのかも知れない。(pp.392-393)

まー私はもっぱらフォークロア的・人文科学的な面から眺めているのでサイエンスライターの金子さんからしたら「残念ながら」のうちの一人なのかもしれませんけど……w
ただ、ロマンに対して「最後のやつがいけない」と断言しているのには激しく同意しておきたいです。いったいロマンって何だよ? 正直私はまったくロマンというものがわからないので何ともいえませんが、幻想動物や神話に対してロマンだなんだという人を本能的に避けたい気持ちがあるのは確かです。