アンチ・龍論

龍の系譜

 非常に典型的な龍論です。


 すなわち、

 私が龍特集をするにあたって真っ先に攻撃対象となる龍論だったりします。


 だから東洋と西洋という区分は(ry

 ティアマトはドラゴンじゃないってあれほど(ry

 ウガリト神話にもレヴィアタンは(ry


 私の持論として、(中略。すみません。まだかけるほど方法論がまとまってません)。



 閑話休題
 某所であおっておきながら、まだ買っていなかったヒュギーヌスの『ギリシャ神話集』を購入。一言で言うと、

 素っ気無さすぎてワロタ

 本です。そして、めっぽう面白い。たとえば次のような項目があります。
 「息子を殺した母たち」
 「妻を殺した者たち」
 「背徳の交わりをした者たち」
 「極悪非道の女たち」
 「この上なく美しい若者たち」
 そして、それぞれ数人から数十人の名前と簡単な行為の理由のみがダラダラと並べられてます。
 また、「七不思議」というのもあります。

 龍関係でいうと、カドモスってアレスの怒りに触れて妻たちと一緒に龍に変身したらしい。
 黄金の羊毛を守る龍はヒュギーヌスによればケルベロスという名前らしい。
 などが、パラパラめくっただけで見つけることが出来ました。

 277話(一部欠落)もある、訳者も書いているようにある意味辞典的な本ですので(アポロドーロスの、区切りのない『ビブリオテーケー』に比べてなんと引きやすいことか)、ギリシア神話の拾い読みに最適です。

 重箱の隅をつつくなら、できれば固有名詞はギリシア語に変換せずにラテン語表記のままにしてほしかった。でも、それだと普通の人はなんのことやらわからないし、いくらラテン語表記といえど、どれも確実にギリシア神話の要約であるので元ネタに想定されるギリシア語表記に書き直す、というのもあながち、間違っていないかもしれません。

 ちなみに、この人は「日本では知られざるギリシア神話」を講談社学術文庫を通じて紹介する訳者さんで、これまでにクイントゥス『トロイア戦記』コルートス&トリピオドーロス『ヘレネー誘拐・トロイア落城』を出版してたりします。たぶん、数年後にはノンノスの『デュオニュソス譚』を訳出されるのではないか、とひそかに期待していたりします(ビザンツの事典『スーダ』は万が一訳されるにしても抜粋なんだろうな)。