クビュなどの情報源

aibaraさんの「幻想世界神話辞典」の新着項目のところを見て、これまで自分にとって謎だったクビュエチムミなどの出典を初めて知った。マルセル・サンドライユ『病の文化史』という本らしい。(本当はaibaraさんのところの掲示板に書き込みたいのだが、トルコからではなぜかアクセスできない。トルコでは法律上アクセス禁止になっているYoutubeでさえゴニョゴニョすればアクセスできるのだが……ブルガリアでは見ることができた)。
クビュやエチムミは『幻想世界の住人たちII』に少しだけ紹介されているバビロニアの悪霊の名前で、その後アッシリア学の専門書や辞書、論文なんかを読むようになって「ああ、これってたぶんクビュやエチムミのことだな」と思われる悪霊の情報に出会ってきてはいたものの、直接『幻想世界の住人たちII』が参照した文献が分からないままで、隔靴掻痒だったのだ。
ちなみにシュメール語やバビロニアアッシリア語ではありえない発音である「クビュ」や「ラマシュテュ」は、たとえば前者はたぶんKubuかKoubuという綴りをフランス語読みしてカタカナ転写したものだと思う。クブという悪霊(超自然的存在)については論文が存在するくらいアッシリア学内ではポピュラーだが、それより以前に世界的な宗教学者ミルチャ・エリアーデ錬金術との関連で取り上げているおかげである程度一般にも知られている。