久しぶりにログイン&項目のレベルの高さについて

久しぶりにtoroiaのアカウントでWikipediaにログインしてみたら、なんとちょうど1年間ずっとログインしていなかったことが分かった。
さらに2ちゃんねるWikipedia系のスレを覗いてみると、私がWikipediaをやめた原因になった何某が、十数日前にWikipediaを(一時的に、だろうが)去っていたということもわかった。この何某はグレイヴズなどをバイブルにしているあたり、私より2,3世代は上だとお見受けするが*1、長年の経験によって得た知識量や弁舌の巧みさと人間的な信頼性は比例しないというのがよーくわかる。

この間も自分の興味関心のあるページについてはチェックしていたし、見たくないところは見ないでおいたのだが、どちらにしてもここ1,2年の「妖怪」関係、「ギリシア神話」関係、「北欧神話」関係の充実はすごいと思う。特に「日本妖怪」関係は望みうるかなり高い水準に達していると思う。ただし「北欧・ギリシア神話」についていうと、残念ながら辞典かナレッジベースレベルでしかない。この二つの違いは何かというと、学問における対象の扱いについて注意を払っているのかいないのか、という点に尽きる。日本妖怪についての学問的な扱いが、ほぼ日本語による学術論文・書籍のなかにしか存在しない、というかあまり学術論文には載らずにすぐに一般書籍・雑誌に流れていく、という事実はあるにしても、日本妖怪についての項目はその点についても研究の最先端を丁寧にフォローできている。こういうのもなんだが、「北欧・ギリシア神話」関係の項目についていうと、最先端の研究のフォローはおろか、古典的な研究や理論についての言及さえ、めったになされていない。いわばアニメや漫画、ゲームのキャラについて個別の項目を立てているのとかわらないわけだ(海外でいうとtheoi.comも同じですけどね)。「事典」を称するからには、また長い西洋文献学の歴史がある、というからには、原典類からの寄せ集めだけでなく、それについてどのような考察が行われてきたのか、をフォローする必要があるだろう。もちろんそれをするには原典類よりもはるかに膨大な量の研究文献を渉猟する必要がある。要するにめんどくさいのだ。私だって、自分の好きな幻想動物関係についてさえ、そんなことをしようと思ったことはない*2。だから、そういう状況を考えると、ずっと辞典レベルのままでいてもしかたないのかな、とも思う。しかし少々きついことを言うと、そういう意味では、日本には妖怪マニアはいてもギリシア神話マニアはいないのだ(北欧神話関係のウェブサイトを見る限り、北欧神話マニアはいる、と断言できる)。「学問的」ということばを金科玉条にしようというわけではないけど、日本におけるギリシア神話北欧神話レベルに達していない(もちろん、日本人専門家については除く)。

*1:ちなみに私自身はこのブログにくる幻想動物関係者でいうと水槌さん、myrmecoleonさん、greenbardさんあたりと同世代のはずである……そして一番年下のはずであるw

*2:私がメインを書いたゲーリュオーンの記事のお粗末さ!